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2014年2月1日土曜日

北川貴英(システマ東京代表)×松原隆一郎(東京大学大学院教授)× 中井祐樹(日本ブラジリアン柔術連盟会長)「怒りと身体、武術と格闘技をつなぐもの」 イベントレポート

システマ東京代表・北川貴英氏の最新著書『人はなぜ突然怒りだすのか?』(イースト・プレス刊)の発売を記念して昨日1月31日、下北沢B&Bにて北川貴英(システマ東京代表)×松原隆一郎(東京大学大学院教授)× 中井祐樹(日本ブラジリアン柔術連盟会長)のトークセッションが行われました。テーマは「怒りと身体、武術と格闘技をつなぐもの」です。

まず“システマ”から説明しますと、ロシア軍特殊部隊スペッナズで学ばれる格闘術であり、人間が究極の危機的状況に陥った時、どのような原理を貫き、動けばいいのか、というシステムを明確にしたもの、なんだそうです……。(wiki情報)。日本では合気道に近そうに見えますが、詳しくは以下動画を観ればシステマの片鱗が少しだけ解るかと思います。



著者の北川氏はこのシステマで日本人2人目の公認インストラクターであり、システマ東京代表です鼎談相手の松原氏は、ゴンカク連載でお馴染みで東大柔道部長・大道塾ビジネスマンクラス師範代の肩書きを持つ東大教授です。そして中井祐樹氏については、弊ブログを観ている方には説明不要でしょう。この御三方によるトークショーは午後20時から、満員状態で始まりました。

御三方ともに穏やかな口調で、怒り・武道・実戦について各々の思考・経験談を元にトークは進みます。
中井氏は『人はなぜ突然怒りだすのか?』を読んだ感想を問われ、
「自分は怒らない人間なのですが、それは感情や考えを上手くやっていること。それはこの本に書いてあり、似ているな、と思った」
と共感しているとコメント。
すかさず松原氏が、
「確かに中井君は大晦日のあの事件でも怒っていなかったよね」
という鋭い突っ込みに、中井氏は頷きながら「年末年始は事件が起りやすくて……」と苦笑いする一幕もあり、旧知の仲である中井氏・松原氏の掛け合いに幾度と無く観客から笑いがおきていました。

三者による武術・格闘技の話題も多く、

松原氏が体験した「五輪金メダリスト・石井慧選手は相手の力・技をズラす練習法」、
中井氏が「七帝時代に強豪選手を相手にいかに引き分けたか」など、
柔術を学ぶ人間にとって、かなり参考になる話が満載。
中井氏・松原氏の疑問を北川氏が解答するシーンもあり、北川氏の柳に風と受け流すような解答の数々も面白く、頷く観客が多かった印象でした。

他にも各々の道場論、実戦論などを含め、あっと言う間の2時間。このブログでは書けないような話も出てきたので、柔術家として為になりながら、格闘技ファンとしてもしっかり面白い、素晴らしいトークショーでした。

最後にトークショー終了後の、御三方のTwitterに述べている感想を貼っておきます。内容が伝わってくると思います。





■中井祐樹氏 Twitter
https://twitter.com/yuki_nakai1970

■松原隆一郎氏 Twitter

■北川貴英氏 Twitter
https://twitter.com/systemaTYO

北川氏の『人はなぜ突然怒りだすのか? 』はイースト・プレス社より絶賛発売中です。
定価: 903円(本体860円+税5%)
http://eastpress.co.jp/shosai.php?serial=1990

2014年1月31日金曜日

【第5回東京柔術オープン】アダルト紫帯オープンクラスレポート

紫帯柔術家に強い選手を訊けば、嶋田裕太選手に続いて名前がよく挙がるのがトライフォース柔術アカデミー所属の栗原良生選手です。手数の豊富さ、動きの早さが素晴らしく、フェザー級体型ながらオープンクラスでも優勝を重ねる実力を持ちます。そんな栗原選手が1月26日開催の『第5回東京オープントーナメント』に登場、しかし階級別では相手が当日欠場に。試合成立せず…と思われましたが、連盟側が同じく試合がなくなってしまったパラエストラ吉祥寺・橋本貴選手と交渉。どちらも大会に出たなら戦いたい!と急遽、栗原×橋本の一戦が行われることになりました。

アダルト紫帯オープンクラス決勝 
栗原良生vs橋本貴
実は首を軽く痛めていたという栗原選手は、「無理はしない」と決めながら試合に挑みます。

しかし、引き込んだ橋本選手が潜ろうとした瞬間に合わせ、速攻で腕狙い。

 バックを狙う栗原選手に橋本選手がタックル。それをしっかりガブッて、栗原選手が潰します。パワーに対して的確な潰し、動きの早さで勝負しています。

 潰してサイドから上四方に移り、また腕十字狙いへ。逃れたところにダースチョークをセットして、ゆっくり絞め上げ一本! 体重差を物ともせず、栗原選手が優勝しました。

■トライフォース柔術アカデミー
http://www.triforce-bjj.com/

2014年1月30日木曜日

日本ブラジリアン柔術連盟『オンライン会員登録』開始!

JBJJFこと、日本ブラジリアン柔術連盟の試合に出るために必要な『会員登録』が、本日1月30日からリニューアルされたとのことです。サイトの説明文によるリニューアル部分を箇条書きで抜粋しました。

1) 国内IDの発行は初登録時の1回のみ
2) 更新の方には現在ある会員証を毎年使える
3) 年度内の帯色変更は、データ変更のみで無料
4)  オンライン登録を開始。会員登録が完全ペーパーレスで、ネットのみで完了出来る
5) 団体一括申込も開始。
6) 現金書留による登録も可能


おぉ、特に(4)は非常に便利ですね。今まで書類をサイトからダウンロードし、書いて代表者からも許可の一筆貰い、写真を張り、銀行支払いして……と手順が多く少々面倒だった部分もあります。それが全てネット完結!



早速サイトで確認しましたが、クレジットカード支払いがOKになっていますね。クレジットカードがない場合でも、銀行振り込みだけして、明細を添付すればネットで済ませれるようですね。

http://www.jbjjf.com/member/Member_registration.html

そして(5)の団体一括申し込みも嬉しいポイントです。現金書留方法を使えば、例えば道場内で会員登録したい選手を募り、お金を集めて必要種類と共に送れば一気に何人、いや何十人に何百人でも登録可能!! 

他、詳しい方法はJBJJFの会員登録ページを御覧ください!!




2014年1月29日水曜日

【第5回東京柔術オープン】アダルト茶帯オープンクラスレポート

1月26日に中央区総合スポーツセンター柔道場で行われたJBJJF主催『第5回東京柔術オープン』。今回はその中から茶帯オープンクラスをお届けします。3人エントリーの巴戦になり、優勝候補筆頭はデラヒーバジャパン所属の鍵山士門選手。 ルーベルト・ヴィンスネス選手(パラエストラTB)、 宮地一裕選手(修斗ジムroots)共に茶帯昇格間もないだけに、鍵山選手が茶帯先輩として違いをみせれるか、注目でした。

アダルト茶帯オープンクラス準決勝 
鍵山士門vsルーベルト・ヴィンスネス
 組んだ両選手でしたが、鍵山選手が引き込み速攻のベーシックパスで2ポイント先制。

 
 ホレッタを仕掛けるルーベルト選手をしっかり潰してサイド、腕十字を狙う動きからバックを奪い、大量12ポイントリード。

 終盤、ルーベルト選手は下から十字絞めからスイープし、上から小手絞りを狙うもココでタイムアップ。鍵山選手が決勝へ。

アダルト茶帯オープンクラス準決勝 
 宮地一裕vsルーベルト・ヴィンスネス
 茶帯昇格間もない両者。宮地選手は素早く引き込み、一瞬三角の形になるが、すぐに解きクローズドガードに。ここからルーベルト選手の圧力を得意の足捌きで凌ぎ、クローズドの中からラペラを引き出し締めを狙う。アドバンテージも入らないままタイムアップ。レフリー判定で宮地選手に軍配が上がった。

アダルト茶帯オープンクラス決勝 
鍵山士門vs宮地一裕
 宮地選手の引き込みに合わせるように、側転気味に鍵山選手がいきなりパス成功。またも速攻が決まる。

 下になった宮地選手は潜って足狙い! 茶帯昇格スグに対応するとは、普段から足練習している証ですね。苦しそうな鍵山選手の表情に、一瞬決まるか? と思いましたが…。


 足関を抜けて一気にスイープ、上から少し固めて宮地選手が動いた瞬間に腕十字!! これがガッチリ決まり一本。鍵山選手が先輩茶帯の意地をみせました。

アダルト茶帯オープンクラス
優勝  鍵山士門 Shimon Kagiyama(デラヒーバジャパン)
準優勝 宮地一裕 Kazuhiro Miyachi(修斗ジムroots)

http://www.delariva.jp/fa/

■パラエストラTB
http://www.parakatsu.com/

修斗ジムroots
http://www.rootsgym.com/

2014年1月28日火曜日

『ADCC JAPAN EAST OPEN』レポート、プロシューター中村憲輔vsZST鈴木廣二

1月26日、第5回東京柔術オープンと同時開催された『ADCC JAPAN EAST OPEN』。その中で注目マッチを一つレポートします。昨年のADCCアジアトライアルにも出場したプロシューター・中村憲輔選手(和術慧舟會AKZA)と、ZSTで総合選手として活躍する鈴木廣二選手(MSD護心道)が対戦したマスターエキスパート66kg級です!!

ADCC JAPAN EAST OPEN マスターエキスパート66kg級 中村憲輔選手vs鈴木廣二選手
  ADCCルールのため前半ポイントは入りませんが、中村選手がタックルでテイクダウン、固めながら腕を狙います。一方、鈴木選手も下から腕十字を取りにいくも決まらず。


 後半戦でポイントが入るようになっても、中村選手は一本背負いでテイクダウンするなど、ポイント6-0とリード。逆転狙いの鈴木選手の足関攻めをしのぎ、ポイント勝利。中村選手が安定感のある強さを見せました。それでは優勝した中村選手にお話をうかがいました。

--まず優勝した率直な感想をお聞かせください。
久し振りの表彰台なので素直に嬉しいです。メダルも戴けましたし。

--グラップリング試合いつ以来でしょうか?
去年のADCC ASIA TRIAL 2013以来ですね。

--現在の練習頻度、練習環境を教えてください。
練習頻度は仕事状況にもよりますが週5回ぐらいですね。練習場所は所属ジムの和術慧舟會AKZA(http://www.akza.net)と曜日担当させて頂いているNATURAL9(http://www.n9ff.com)
あとは週末川口のリディプス(http://www.redips-bjj.com)で、飛猿選手や小野島選手とMMAレスリングをやったり池袋のブルードックジム(http://www.bluedog-gym.com/index.php)のプロ練で井上学選手、徹肌ィ郎選手、村田卓実選手、櫻井明大選手とグラップリング中心の練習をやってます。
練習環境は出稽古が多いですね。ただ、今所属ジムAKZAの柔術クラスに参加するのが発見が多くて楽しいです。柔術白帯なので。

--来年のADCC日本予選には出場予定はありますか? その意気込みもお願い致します。
去年は慧舟會の先輩の徹肌ィ郎さんに敗れてしまったので来年はそこを一つでも越えて上に行ければと思います!